横浜国立大学 受験体験記

はじめに

 初めまして、伊藤です。
 今回は、横浜国立大学の受験体験記になります。
 落ちたので、落ちる予定の人は参考にしてみてください。合格する予定の人は反面教師だと思って目を通していただければ、と思います。
 横浜国立大学の試験には専門があるので、受験する人はよく確認しておきましょう。
 受験したのは、理工学部 数物・電子情報系学科 情報工学教育プログラムです。

試験日まで

 TOEICの点数を提出する必要があったため、四月のTOEICに申し込みをしました。
 が、新型コロナウイルスの影響で六月まで全て中止になってしまったので、TOEICスコアの提出を断念しました。
 幸い、友人が受けるついでに自分もTOEFLの申し込みを偶々していたので、TOEFLのスコアを提出することにしました。
 が、なんとTOEFLまで中止になってしまいました。試験日の前日に緊急事態宣言が発令され、全ての会場で試験が中止になりました。この時が一番精神的にキツかったです。
 横浜国立大学の受験は諦めようとしていたところで、TOEFLは条件を満たせば自宅で受験ができることを知りました。
 これはやるしかない!と、初めて英文でメールを送り、試験を自宅受験に変更しました。一週間程度で手続きが終わり、四月の末に受験をしました。横浜国立大学の出願は五月の中旬。
 お察しの方もいるかと思いますが、TOEFLのスコア提出が出願に間に合いませんでした。
 一か八か、横浜国立大学の入試課にメールを送ると、願書を受理してくださるとの連絡をいただけました。神だと思いました。
 きっと僕と同じような目に遭った方もいると思います。今年の受験は波乱でしたね…

TOEIC, TOEFLのスコアは早めに取っておきましょう(切実)


横浜国立大学 編入試験対策

 横浜国立大学では英語(TOEICTOEFLの点数)、基礎科目(数学, 物理)、専門科目、面接の四つで合否が判定されます。
 各科目に対して僕の行った対策を述べて行こうと思います。

英語

 TOEFLスコアを64点で提出しました。
 決して高くない、むしろ低めの点数かな〜と思います。それでも受験できないよりかは5000極倍くらいマシですね。
 また、今回止むを得ずTOEFLを受験して提出をしましたが、明らかにTOEICの方が簡単です。そもそものレベルが段違いな上、SpeakingやWritingの試験まであります。
 よくTOEICTOEFLの換算表が出回っていますが、TOEIC 700点とTOEFL 70点が等価だとされているものもあります。そんな訳がないので参考にしない方がいいですが、それを採用している大学もあったりするので確認はしておきましょう。
 こういう事態に備えて、早めにTOEICを受験しておきましょう……。絶対にTOEICの方がいいです。

追記 10/19:
 この度ようやくTOEICを受験することができましたが、結果は865点でした。
 TOEICを全力で提出しましょう。

数学

 例年、線形代数微分方程式が出題されています。難易度は易しめだと思います。
 線形代数固有値固有ベクトルを求める問題、微分方程式は変数分離系やベルヌーイの微分方程式など、様々出ているようです。
 編入数学徹底研究、過去問特訓などで対策をしました。
 そこまで難しくはないので、最低でも9割程度狙っていこうと思っていました。

物理

 力学です。
 質点系の力学や、ケプラーの法則、剛体の力学などが出題されています。難易度は一般的だと思います。剛体が一番好きで得意なので、剛体出ろ…!!と全力で祈っていました。
 演習力学という、基礎的な内容の黄色い本でとにかく基礎を固めていきました。
 めっちゃ得意な科目でもないので、8割近く取りたいという気持ちでした。

専門

論理回路

 横浜国立大学論理回路豊橋技術科学大学論理回路と比べたら難しいです。しかし、論理回路はそこまで難しいものでもない(試験に出る範囲では)ので、勉強に苦労することはないと思います。学校指定の教科書を使って復習していきました。
 10割近く取っていきたいです。

アルゴリズム

 難しいです。時間がかかるな、と過去問をやって思いました。
 コードが結構ややこしかったり、知らないアルゴリズムが出ていたりと、本試験の鬼門じゃないかと思っています。
 勉強法は過去問のコードを実際に打ち込んで実行してみたり、古典的、実用的ソートや探索のアルゴリズムを一通り抑える、などです。
 7割くらい取れたらいいなと思っていました。

プログラミング

 C言語Java、二つの言語でそれぞれ一題ずつ出題されます。ソースコードの穴埋めや、実行結果など。
 C言語は授業でも趣味でも扱っていたので、特に懸念はしていませんでしたが、Javaに関しては「何度か書いたことがある」くらいのレベルだったので、かなり心配でした。
 こちらも、合わせて7割〜8割ほど取れたらいいなという気持ちで臨みました。

試験前日

 朝、新幹線で横浜に移動しました。
 午前中に新横浜駅に到着し、ホテルに荷物を預けて大学の下見に行きました。
 ホテルは「東横イン横浜駅前 新館」を選びました。東横インの会員なので、編入試験を受けにいく際は全て東横インを利用しています。
 新型コロナウィルスの影響で営業を中止しているホテルも多かったので、慎重に選びました。結果、新横浜駅から徒歩3分とかなり近く、素晴らしかったです。

 下見にはバスを利用しました。
 当初は電車を利用するつもりでしたが、こちらの方が運賃が安く時間もかからないため、当日もバスで行こうと決めました。
(注: バス遅延等のアクシデントを回避するため、電車で行くことが推奨されています)

「新横浜駅前」から大体20分程で「羽沢横浜国大駅前」に到着します。バンドリが好きなので、羽沢という名前に細胞が反応してテンションが上がっていました。
 バスに乗っている時に、思ったよりも起伏のある土地だなと感じていました。目覚ましを兼ねて歩いていくことも視野に入れていたのですが、絶対にやめろと明日の自分に釘を刺しました。

 羽沢横浜国立大前から歩いて十分ほどで、受験する横浜国立大学に到着しました。
 しんどかったです。噂に聞いていた通り、かなり登り下りがありました。
 が、多分道を間違えました。当日はちゃんとした道のりで、会場まで向かおうと思います。

 ホテルまでは電車で帰る(電車でのルートも確認するため)予定でしたが、三限の講義の出席に間に合いそうになかったので、バスで帰りました。毎回その日のうちに課題の提出がある科目だったので、やむを得なかったです。
 ホテルのロビーで三限に出席し、チェックインを終えた後はずっとホテルに篭って勉強をしていました。こういう時はオンライン授業でよかったなって思いますね…。
 夜ご飯は新横浜駅辺りにある「かつや」で食べました。初めてのかつやでした。
 遅刻したくない気持ちが強すぎて、めっちゃ早く寝ました。勉強しても気が休まらなかったというのもあります。大体20時くらいに寝ました。

試験当日

 五時に起きました。一度二時くらいに目覚めてしまったので、二度寝をしてからの起床でした。よく眠れたと思います。
 六時半くらいのバスに乗る予定だったので、かなり余裕がありました。受験票や案内、勉強道具に筆記用具など、忘れ物がないか5000阿僧祇回くらい確認して、ホテルを出ました。
 連泊するとチェックアウトでばたつく必要がなくなるので、おすすめです。落ち着いて会場に向かうことができました。

 試験会場につくと、予告通りサーモカメラによる検温がありました。

一限目: 基礎科目(80分)

 一般科目は数学と物理の二科目です。
 時間内に二科目解きます。

数学I線形代数

正規化された2×2の対称行列Aと4×4の対称行列Bがあります。また、それぞれ未知数aを要素に含んでいます。

① Aの逆行列=Aの転置行列という条件で、aの値を求める問題
 易しい問題でした。

② Aの固有値固有ベクトルを求める問題
 計算ミスに気をつけましょう。

③ Bと、その転置行列との積を求める問題
 転置行列=逆行列であるため答えは単位行列となるはずですが、おそらく題意は「普通に計算してね」だと思います。
 普通に計算したらちゃんと単位行列が得られました。

④ Bの逆行列を求める
 ③の結果からBの転置行列=Bの逆行列であることがわかるので、Bの転置行列を書けばOKです。

 計算ミスがなければいいですが、もしかするとあるかもしれません。固有ベクトルの計算がやりづらかったです。
 難易度は例年通りだと思いました。

数学II微分方程式

① 非同次一階線型微分方程式の一般解
② 変数分離型の微分方程式の一般解

 ①はできましたが、②は解ききれませんでした。t = tan(x/2)で置いて…からどうするんだっけ!?ってなってすっ飛ばしたら時間が足りなくなりました。
 こちらも例年通りの難易度だと思います。勉強不足を否めない結果となりました。

物理

 斜面(角度θ)の上から静かに円盤(重さM, 半径R)を離して転がす運動に関する問題でした。
① 円盤の慣性モーメントI
 (M, R)
② 円盤の並進運動の運動方程式
 (x, M, θ, g, t, f)
③ 円盤の回転運動の運動方程式
 (I, ω, R, f, t)
④ 斜面を滑らず転がる時の摩擦力
 (M, g, θ)
⑤ 滑らず転がるための摩擦係数μの条件
 (θ)
⑥ 円盤の重心の加速度
 (g, θ)

 大体こんな感じです。()内の文字を使って表せ、とありましたが、記憶が曖昧なのでこの通りではないかもしれません。参考程度に。
 こちらは計算ミスがなければ、完答できたと思います。物理はあまり得意ではなく警戒していたので、存外簡単で助かりました。

二限目: 専門科目(120分)

 試験時間は二時間です。
 長いですが、時間は足りないだろうなと警戒してました。かなり時間配分を意識しました。

論理回路

① 比較器の真理値表、カルノー
カルノー図を用いて特性方程式を導く
③ NAND, NOTゲートのみを用いて回路図を描く
④ 与えられた機能に対して状態遷移図を描く問題
⑤ 上の機械の真理値表
⑥ この機械の名称(ミーリーorムーア)

 例年に比べてどうかは分かりませんが、特に難しくはなかったと思います。ミスがなければ嬉しいです。

アルゴリズム

 アルゴリズム、プログラミングについては、問題内容を書いてもぱっとしないと思うので省きます(内容を正確に覚えていないというのもあります)。
 大変でした。線形リストを用いたバブルソートアルゴリズムだったと思います。線形リストの操作がややこしく、大変でした。p->n->n->n、なんて書いてあったりしてたので、見にくかったです。大変でした…
 書いたっちゃ書いたけど、合ってる自信は全くありません。もしかしたら5割もないかもしれません……

プログラミング

C言語
 こちらも大変でした。今度はマージソートだったと思います。ほとんどアルゴリズムの問題です。
 要素数8の配列のマージソートが行われる過程を書いていきました。要素数が多くてしんどかったです。さらに、実行結果を正確に示す必要があるので、空白やインデントなどにも注意して書いていく必要があります。
 間違ってなければ、そこそこできたと思います。

Java
 前日にJavaの本を一通り読んだだけの突貫工事でしたが、思ったよりもできたような気がします。
 プログラムの穴埋めとプログラムの実行結果を書かされましたが、後者は中々鬼だったと思います。大変でした……
 コードの穴埋めは出来ましたが、実行結果に関しては全く手応えがなかったです。

 懸念の残る中挑んだ専門科目でしたが、終わってみれば思ってたよりも書けた(合ってるとは言っていない)かな、といった印象です。やれるだけのことはやったので、7,8割くらいは取れてて欲しい……けど、自信と手応えは全くなかったです。

面接

 横浜国立大学編入学試験には面接があります。
 面接までかなりの時間が空いているので、採点も終わっているんじゃないかなと思います。
 
 聞かれたことは結構シンプルで、口頭試問もありませんでした(合格者にはあったのかも…?)。
 めっちゃ緊張してました。
 雰囲気は和やかとは言えないような感じでしたが、面接というより対話に近い形でした。正直、結構怖かったです。
 卒研の内容はある程度理解しておくといいと思います。

試験後

 帰り道で迷って大変でした。大学って広いですね……学内が森みたいで、気がつけば駅の反対方向まで来ていました。
 ホテルに帰ってからはお風呂に入り、めっちゃだらだらしました。完全に、ではないですが少しだけ解放された気分でした。

結果

 不合格でした。やっぱり!という感じで、ショックは少なかったです。
 解答例が出ていたので、記憶を頼りにかなり大まかに自己採点をしました。数学8割、物理8割、論理回路8割、アルゴリズム0〜2割、プログラミング5割という感じです。英語に関しては何点に換算されているかわかりませんが、6〜7割くらいじゃないかな……?と考えています。
 アルゴリズム……という感じでした。アルゴリズムの勉強頑張りましょう💪

おわりに

 以上が横浜国立大学編入試を受けた感触と感想になります。
 やっぱり専門が難しかったです。また、例年より物理が簡単になっていたのにも関わらずそこで若干のミスをしてしまったのも痛かったです。


 最後に、この体験記で一番伝えたかったことは
 TOEICは早めに受験しよう!
 ということです。本当に、早めに受けておきましょう……

 長くなりましたが、ありがとうございました。